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プレスリリース

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2026年06月19日

経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用生体弁 エドワーズ サピエン3、無症候性重症大動脈弁狭窄症に対する適応を本邦で初取得

日本法人プレスリリース

循環器疾患と闘う患者さんのための治療技術の開発に取り組むエドワーズライフサイエンス合同会社(東京都新宿区、代表執行役員社長:大櫛 美由紀、以下エドワーズ)は、経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)に使用する生体弁「エドワーズ サピエン3」*1について、無症候性重症大動脈弁狭窄症への追加適応の承認を取得しました。今後は保険収載を経て、全国のTAVI実施医療機関にて治療が可能となる見込みです。本承認により、息切れ、胸痛、失神などの自覚症状が明確には認められない段階においても、病態の進行や将来的なリスクを踏まえて、医師およびハートチームによる総合的な評価と判断に基づき、医療現場で治療方針を検討する際の選択肢が広がることが期待されます。

 

無症候性重症大動脈弁狭窄症の治療課題

大動脈弁狭窄症は、高齢化の進行とともに患者数が増加している疾患で、症状が出現してからの予後は不良であることが知られており、適切なタイミングでの治療介入が重要とされています。一方で、重症であっても無症候の患者さんが一定数存在します。また、息切れや疲れやすさといった症状が、加齢に伴う身体変化と混同されたり、ご自身の活動範囲を息切れしない程度に自然と抑えてしまったりすることで、症状が認識されないまま病態が進行するケースも少なくありません。そのため、重症大動脈弁狭窄症そのものの症状の発見が困難となり、いち早い適切な評価や治療方針の検討に十分つながらない患者さんが存在する可能性が指摘されています。今回の無症候性重症大動脈弁狭窄症への適応取得は、こうした課題を踏まえ、医師による治療判断における選択肢を広げ、患者さんの治療選択肢の拡大にもつながるものです。

 

エビデンスと適応取得の背景

TAVIは、重症の大動脈狭窄症に対する低侵襲な治療法として、2013年にエドワーズが初めて日本に導入しました。これまで、無症候性重症大動脈弁狭窄症の患者さんについては、経過観察が標準的な管理とされ、介入治療は慎重に判断されてきました。しかし近年の臨床試験*2により、エドワーズ製品を用いたTAVIによる早期介入と経過観察を比較した結果、死亡、脳卒中、および予定外の心血管入院の複合事象の発生率に差が認められたことが報告されています。また同試験では、無症候とされていた患者さんにおいても、症状が急速かつ予測不能に出現する場合があることが明らかになっています。これらの結果を踏まえ、2025年には米国と欧州において無症候性重症大動脈弁狭窄症に対するエドワーズ サピエン3によるTAVIの適応が承認され、このたび本邦においても承認取得に至りました。

 

●澤 芳樹 先生(大阪大学大学院医学系研究科 名誉教授、 大阪けいさつ病院 総長)のコメント

「大動脈弁狭窄症の治療は、半世紀以上にわたり『症状が現れてから介入する』という考え方が実臨床における基本として定着してきました。その背景には、古くからの自然歴の理解と、かつての外科治療に伴うリスクの高さがあり、症状出現の有無を重視した治療判断が合理的とされてきた経緯があります。

一方で近年は、治療技術の進歩により安全性が大きく向上するとともに、さまざまな臨床研究により、早期の弁置換治療が患者さんの予後改善につながる可能性が示されています。また、無症候とされる患者さんにおいても状態が急速に悪化するケースがあることが明らかになっており、従来の『症状を待つ』管理の考え方は見直しの時期に来ていると考えられます。

今回の適応拡大は、侵襲の小さいカテーテル治療(TAVI)だからこそ、従来の治療の考え方を変える可能性を持ち、『適切なタイミングでの介入』を前進させる起点となることが期待されます。」

 

●林田 健太郎 先生(関西医科大学 内科学第二講座 主任教授)のコメント

「大動脈弁狭窄症では、重症であっても症状がないまま心機能障害が進行しているケースが少なくありません。特にご高齢の患者さんでは、活動量の低下や『年のせい』という思い込みにより症状自覚が難しく、その曖昧さが原因で治療タイミングを逸する可能性が指摘されています。今回の適応拡大は、このように症状が確認できない場合においても、介入治療を選択肢の一つとして検討し得るようになった点に意義があると考えています。

これにより、患者さんの全身状態や将来を見据えた適切なタイミングで治療を検討することが可能となり、真に治療を必要とする患者さんに対する、より適切な治療機会の提供につながることが期待されます。」

 

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大動脈弁狭窄症について
大動脈弁狭窄症は心臓弁膜症のひとつです。放置すると病状が進行し、心不全などを引き起こして入退院を繰り返すことがあります。一方で、病状が進行する前に適切なタイミングで治療を行うことで、日常生活の質(QOL)の維持・改善が期待される疾患です。

日本においては、60歳以上の大動脈弁狭窄症患者は約284万人、そのうち治療が必要な重症例は約56万人と推定*3されています。一方、年間の治療件数は約2万件にとどまっており*4、多くの患者さんが治療の機会を逃している可能性があるとされています。

 

注釈

*1  販売名: エドワーズ サピエン3 / 承認番号:22800BZX00094000

*2  EARLY TAVR試験は、無症候性の重症大動脈弁狭窄症患者さんを対象に、TAVIを経過観察と比較して評価するために設計された初めてのランダム化比較試験です。追跡期間の中央値3.8年で、死亡、脳卒中または予定外の心血管入院に至った患者さんは、TAVI群455例のうち26.8%に対し、経過観察群では446例のうち45.3%でした。このデータは2024年にNew England Journal of Medicineに掲載されました。

*3 De Sciscio P, et al. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2017;10:e003287.

*4 Committee for Scientific Affairs. Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2025;73:526-565.

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Amy Meshulam
(VP, Global Communications)