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私の
「走りたい」が
動き出す

Patient interview 7

Interview

心臓手術経験者インタビュー

連載#7
忍足さん(千葉県在住)

Patient interview 7

鉄道の運転士としてのお仕事を経て、定年退職後は地元の観光協会や海岸を守る活動に尽力している忍足(おしだり)さん。その一方でスキーやマラソンにも打ち込み、100kmマラソンの大会に参加するなど挑戦を続けています。2度の心臓手術を経験した忍足さんに、病気の経緯や現在の暮らし、今後への思いなどを語っていただきました。

私の 走りたい が動き出す

鉄道の運転士として働きながらスキーとマラソンに熱中

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私は長年、国鉄(現JR)で運転士として働いていました。定年退職してからは、地元の観光協会会長を務めているほか、夏にはボランティアで地元の興津海岸の清掃活動をしたり、海水浴場で監視員の仕事もしたりしています。

体を動かすのが大好きで、趣味はマラソンと、18歳から続けているアルペンスキー。若いころはスキーの方に熱中していて、マラソンはその体力づくりのためにしていただけだったんですが、50歳を過ぎてから走ることの楽しさに目覚めました。

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2度の心臓手術を経た今も、ほぼ毎日10km以上走っています。2か月に一度は、日本各地のフルマラソンや100kmマラソンなどの大会にも参加しています。もちろんスキーも続けていて、今年の冬も山に滑りに行ってきました。

こうした生活を続けていられるのも、病院の先生や医療関係者の方々、家族や仲間たちに助けてもらったおかげです。だから、今の私は世間に恩返しする立場。同じ病気の人の力になるために、自分にできることは何でもしたいと思っています。

大動脈弁狭窄症により人工弁を留置する開胸手術を経験

私は「大動脈弁狭窄症」という診断を受けて、これまでに2度、心臓に人工弁を留置する開胸手術を受けています。1度目の手術は、まだ現役運転士だった58歳のときでした。その2〜3年前ぐらいに会社の健康診断で心臓に異常が見つかり、いずれは手術が必要になると言われていたんですが、特に自覚症状もなかったので、手術はもう少し先でいいかなと思っていました。

そうしたらある日、仲間とランニング中に倒れてしまったんです。すぐに意識を取り戻したものの、行った病院で医師に「この状態では家に帰せません」と言われてしまいました。その日は結婚記念日だったんですが、そのまま入院することになり、1週間後に手術を受けました。不安もありましたが、医師から丁寧に説明を受け、「手術すればまた電車を運転できるんだ、走れるようになるんだ」と思えたので、最終的には安心して手術を受けました。

手術後61歳、人生で初めての100キロマラソンを完走

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仕事に復帰したのは退院の1週間後ぐらい。最初の半年は事務仕事をして、その後運転士に本格復帰しました。マラソンも少しずつ再開。せっかく手術で助かった命、何か新しい挑戦をしてみたかったという思いもあり、術後2年目には生まれて初めての100kmマラソンの大会にも出場しました。14時間かけて完走したときには最高に感動しました。

2度目の手術は69歳のとき。すごく暑い夏のことだったのですが、食事も食べられず体調も尿の出も悪くなってしまって、病院に行ったら再び「即入院」と言われてしまいました。

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俺は生きて帰れるのかな、もう海が見られなくなるのかな──。そんな思いが頭をよぎりもしましたが、先生を信頼してお任せしたんだからやるしかないと思い直しました。私は、前向きな気持ちでいれば何事もいい方向に向いていくと信じています。だからこのときも、「手術すれば明日は今日よりきっとよくなる」と思って手術に臨みました。

実際、術後に少し歩けたときには「まだやれるぞ!」という気持ちがむくむく湧いてきましたね。退院後、また走れるようになったときは最高にうれしかったです。海岸を走りながら「走れるっていいな」と心の底から思いました。

マラソンは「自分は皆に助けられている」と実感させてくれる

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それから5年が経ち、今もほぼ毎日走っています。私にとって走ることは健康のバロメーター。距離は10kmのときもあれば、ちょっと頑張って30km走るときもあり、全国各地のマラソン大会にも参加しています。

沿道の人や給水ステーションの人たちが、応援し たり助けてくれたりするのはうれしいですね。 走っていると、自分は周りのすべてに助けてもらっ て走れているんだなと実感します。心臓病だってそ うですよね。みんなが助けてくれたから今の私が ある。本当にありがたいなと思います。


この街の美しい海岸を子や孫たちに残したい

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私が暮らす興津(おきつ)には、ビーチの国際環境認証制度「ブルーフラッグ」の認証を受けた興津海水浴場があります。これは「きれいで安全で、持続可能で、誰もが楽しめるビーチ」であることを示す認証で、基準もなかなか厳しいんです。

日本でこの認証を受けているビーチは、今のところ全国で12ヶ所しかなく、そのひとつがここ興津海水浴場です。

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ここの魅力は、美しい海や豊かな自然に加え、バリアフリーにも力を入れているところ。海岸まで車いすで降りられるようになっていて、高齢の方や障がいのある方にも海を楽しんでもらえるよう、水陸両用の車いすの貸し出しも行っています。誰もが楽しめるビーチ、ぜひ、たくさんの方に遊びに来ていただきたいです。

私は自然豊かなこの街が大好きで、先祖から受け継いだこの美しい海岸は、そこに暮らす動植物も含めてしっかり守っていきたい。興津観光協会の仕事や、海岸清掃、夏のなどのボランティア活動も続けていくつもりです。子や孫たちにこの景色を残していけたら、最高です。

同じ病気の人たちに少しでも勇気を与えられたら

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何事も、まずは現状から一歩踏み出すことが大事だと思っています。マラソンでは、一歩踏み出せばそれだけゴールに近づきます。病気もそれと同じで、あと少しだけ頑張って踏み出せば、その先にはきっと新しい何かが待っているはずです。

この経験談によって同じ病気の人たちに少しでも勇気を与えられたら、自分が皆さんに助けてもらった恩返しができたら、こんなにうれしいことはありません。

上記の患者さんのインタビューは、エドワーズライフサイエンスが、実際の患者さんのご経験を伺い、書き起こし、編集したものです。記載された症状や治療、治療後の生活などは個々人によって異なり、すべての方にあてはまるものではなく、また特定の治療等を推奨するものでもありません。ご自身やご家族の症状や治療について気になることがございましたら、医師にご相談ください。

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