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プレスリリース

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エドワーズ、心臓弁膜症治療用に開発された人工弁輪「フィジオフレックスリング」を新発売、臨床医の知見に基づいた構造で、より良い僧帽弁形成術を目指す

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・独自デザインで、治療後の長期成績向上を追求
・僧帽弁輪の自然な動きに柔軟に追従し、組織と人工弁輪とのデタッチメントのリスクを低減
・患者さんの僧帽弁輪にフィットし、生体組織に与えるストレス軽減をはかる

心臓弁膜症*1治療やクリティカルケアモニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人、エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、本日より僧帽弁治療用の人工弁輪「フィジオフレックスリング」を、全国の医療機関に向けて販売開始しました。

本製品は、心臓に4つある弁のうち、僧帽弁の心臓弁膜症に対する外科治療に用いる人工弁輪です。逆流(弁の閉鎖が不完全となり、本来とは逆の方向に血液が流れること)が生じ、正常に機能しなくなった僧帽弁の弁輪*2に縫い付け、僧帽弁の形を整えることで逆流を制御し、心臓の正常な機能を回復させる手術に使用します。

僧帽弁は心臓の左心房と左心室の間に位置し、肺で酸素をふんだんに含んで心臓に戻ってきた血液を全身へと送り出す左心室の機能を保つ上で、重要な役割を担っています。

PhysioFlex (1)

「フィジオフレックスリング」の特長

臨床医の知見に基づいて共同開発した独自デザインにより、治療後の長期成績向上を追求
本製品は、共同開発者にマウントサイナイ病院*3の心臓血管外科医、デイヴィッド・アダムス医師を迎え、その臨床知見に基づいて開発されました。僧帽弁に隣接する大動脈弁の位置は患者さんによって異なるため、それに対応すること、また血液の流入を阻害しないことを目指し、大動脈弁に当たる部分を開放部位とするオープンリングデザインを採用しました。また右線維三角(僧帽弁・三尖弁と大動脈に囲まれた部位)を確実にとらえることが長期成績の向上につながると考え、左右非対称の独自の形状を採用しています。

僧帽弁輪の自然な動きに柔軟に追従し、組織と人工弁輪とのデタッチメント(離れること)のリスクを低減
心臓の動きに合わせて、僧帽弁輪の形状は上下左右と様々な方向へ変化します。そこでフィジオフレックスリング全体に適度な柔軟性を持たせました。患者さんの僧帽弁輪の自然な三次元の動きに追従し、縫着部位のストレスを緩和させることで、組織と人工弁輪のデタッチメントのリスクを低減します。

患者さんの僧帽弁輪にフィットし、生体組織に与えるストレス軽減をはかる
正常な僧帽弁輪はサドルシェイプ(鞍型)であることが知られています。フィジオフレックスリングもサドルシェイプにすることで、組織に与えるストレスが緩和されるように設計しました。これにより再手術のリスク低減をはかります。

PhysioFlex (2)
PhysioFlex (3)
PhysioFlex (4)

高齢化に伴い増加する心臓弁膜症は心不全*4の主な要因のひとつ

心臓弁膜症全体の治療件数は増加傾向にあり、それに伴って僧帽弁の手術件数も10年で40%近く増加しました。心臓弁膜症の治療には、弁そのものを人工の弁に取り換える「弁置換術」と、弁の形を整え機能を回復させる「弁形成術」がありますが、僧帽弁疾患の多くは患者さんの弁を残して形を整える「弁形成術」で治療が行われます。
心臓弁膜症は心不全の主な要因のひとつであることから、適切な時期に適切な治療を受けることで、心不全へと病気が進行してしまうのを防ぐことが期待できます。

フィジオフレックスリング発売にあたり、当社代表取締役社長で、自らも臨床医としての経験を持つケイミン・ワングは次のように述べています。

「高齢者は一度心不全を起こすと、その後入退院を繰り返すことが多いとされており、原因疾患の段階で治療し、心不全への進行を防ぐことは非常に重要です。ある調査では、心不全の原因疾患の約35%は心臓弁膜症であるとされており*5、心臓弁膜症の治療は心不全の発症予防に一定の効果があると想定されます。
心臓弁膜症のなかでは、大動脈弁狭窄症が良く知られています。しかし今年8年ぶりに改訂された「2020年改訂版弁膜症治療のガイドライン」(日本循環器学会)では、先進国における僧帽弁閉鎖不全症(逆流症)は、大動脈弁狭窄症とトップを争うほど有病率の高い弁膜症だとされており、僧帽弁の弁膜症は高齢化が進む日本において注目すべき疾患です。弁膜症は適切な時期に手術を受けることで根治が目指せるため、より良い治療を実現するための医療機器に対するニーズは高まっています。
エドワーズは心臓弁膜症治療を世界的にリードする企業として、開胸を伴う外科手術や低侵襲手術など、あらゆる弁膜症治療に対応できるよう、最先端の技術を駆使した製品を通じて医療従事者を支えることで、患者さんが健やかな日常生活を取り戻す一助となることを目指しています。」



*1:心臓弁膜症とは 心臓の中にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態。弁の開きが悪くなり血流が妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全となり血液が逆の方向に流れる「逆流」があります。弁膜症は自然に治癒することはなく、また薬で治すこともできないため、進行すると介入治療が行われます。参考:心臓弁膜症サイト(https://www.benmakusho.jp/
*2:弁輪とは: 弁のふち(外周)の部分を指します。
*3:マウントサイナイ病院とは 1852年に開設された、世界有数の医療機関のひとつ。優れた臨床治療で国際的に高く評価されています。参考:The Mount Sinai Hospital (https://www.mountsinai.org/locations/mount-sinai) アクセス日2020年6月29日
*4: 心不全とは 心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態。参考:公益財団法人日本心臓財団HP (https://www.jhf.or.jp/check/heart_failure/02/) アクセス日2020年6月29日
*5: Kitagawa T, el al. Current Medical and Social Conditions and Outcomes of Hospitalized Heart Failure Patients ― Design and Baseline Information of the Cohort Study in Hiroshima ―  Circ Rep 2019; 1: 112–117






エドワーズライフサイエンスについてhttps://www.edwards.com/jp/
カリフォルニア州アーバインに拠点を置くエドワーズライフサイエンスは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さんのための医療イノベーションをリードするグローバル企業です。患者さんを助けたいという情熱を原動力に、世界のヘルスケアの現場で医療従事者や関係者とのパートナーシップを通じて、生活の改善と向上に取り組んでいます。

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Amy Hytowitz
(VP, Global Communications)

日本法人 広報部
03-6895-0301 (大代表)