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メディアセミナー『もっと理解したい「心臓弁膜症」のおはなし』開催  息切れ・動悸・胸の痛み…年のせいではなく心臓弁膜症かも?心音チェックを呼びかける

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2022年5月9日-エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、『もっと理解したい「心臓弁膜症」のおはなし』と題して、都内でメディアセミナーを開催しました。

Media Seminar 1

日本人の死因の第二位にもかかわらず、がんなどに比べると、その認知が低いとされる心疾患。そのひとつである心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」とされています1。なかでも心不全の原因のひとつである「心臓弁膜症」は日本に推定200万人2いるとされているにもかかわらず、その症状は、加齢にともなう体の変化と似ており、心臓弁膜症の症状であることに気が付かなかったり、症状が出ないように無意識のうちに行動を制限したりしてしまうことがあります。そのため、患者さんが受診や診断、治療を受ける適切なタイミングを逃すことがあるのが心臓弁膜症の大きな課題3です。
こうした課題に取り組むために、メディアを通じて、一般の生活者により心臓弁膜症を知っていただくための啓発活動が必須と考え、エドワーズは、『もっと理解したい「心臓弁膜症」のおはなし』と題したメディアセミナーを開催しました。


ご講演:心不全パンデミック時代における弁膜症について
東京大学大学院 教授 小室一成先生が 診断の第一歩となる『聴診』の重要性を訴える

Media Seminar 2

「心不全パンデミック時代における弁膜症について」と題し、東京大学大学院の小室一成教授(医学系研究科 循環器内科学)が心不全とその原因のひとつである「心臓弁膜症」について講演しました。
循環器病(脳卒中を含む)は、がんと死亡者数はほぼ同じであり、75歳以上の後期高齢者になると、死因トップであるにも関わらず、そのリスクが身近に感じられていないことを指摘。
さらに、あらゆる循環器疾患の終末像である心不全の患者数が増加している中、心不全の原因の一つである心臓弁膜症、なかでも大動脈弁狭窄症を例に挙げ、その症状や検査・治療法などについて分かりやすく解説しました。

大動脈弁狭窄症は、心臓弁膜症のなかで約4割を占め、大動脈弁(血液の逆流を防ぐ、心臓の弁のひとつ)が十分に働かなくなって狭くなり、そのために血液を送り出す心臓に負担がかかる状態のこと。「散歩の途中で立ち止まるようになった」「洗濯物を干すときに息切れがする」「階段を上るときに息切れが長引く」などの日常生活での変化がサインとなるものの、それが加齢に伴う体の変化と似ているため、気づきにくいのが特徴です。
小室教授は、上記のような症状や気になる変化があったら、かかりつけ医などで「聴診」を受けることが早期発見の第一歩とアドバイスしました。また、心エコー図検査(超音波検査)は体に負担をかけずに弁の動きや狭窄・逆流度合いなど詳しい状態が把握できるため、定期的に検査を受け、適切なタイミングで治療を受ける重要性も強調しました。
また、重症化して、治療が必要になった場合でも、複数の選択肢があることを説明。カテーテル治療(TAVI:経カテーテル大動脈弁留置術)では、体への負担が少ないことから1週間後には歩いて退院できるケースも珍しくないと紹介。医療技術の進歩により、治療環境が劇的に変わっているため、怖がらずに医師の診断を受けて欲しいと訴えました。

Media Seminar 3

調査結果発表:「心臓弁膜症」はまだまだ情報が浸透していない 検査を受ける上でも課題に

主催者であるエドワーズのパブリックアフェアーズ本部 本部長の児玉順子が登壇。エドワーズは1960年に世界で初めて人工心臓弁を製品化して以来、患者さんを助けたいという情熱を原動力に、挑戦し続ける企業であることを紹介。現在心臓弁膜症の啓発に取り組んでおり、その一環として今回「心臓の健康に関する意識調査」を行ったことを説明しました。

Media Seminar

調査からは、「心臓弁膜症の情報が浸透していない」「心臓に関する検査の機会が限られている」「高齢者と介護者との認識に乖離がある」などの課題が見つかりました。
なかでも、心臓に関する定期的な検査を受けられていないことは、今後注目されるポイントかもしれません。

Media Seminar 5

たとえば、血圧検査においては67%以上の高齢者が「6か月に1回以上受けている」にもかかわらず、心臓に関する検査では「検査を受けていない/覚えていない」と回答した高齢者の割合が最も多く、検査が十分受けられていないことが分かりました。心臓弁膜症の早期発見に欠かせない「聴診」に関しては、6か月に1回以上受けている人はたった27%でした。

検査を受けない理由として高齢者は「心疾患/症状の知識が不足している」という回答が37%と最も多く、介護者においても「心疾患/症状の知識が不足している」がトップ3に入る理由のひとつとして挙げられました。心疾患や心臓の健康に関して情報が浸透していないことが、検査を受ける上での障壁となっていることも今回の調査で明らかになりました。

Media Seminar 6

パネルディスカッション:医師・患者の立場から見た心臓弁膜症の課題について

Media Seminar 7

左から、エドワーズライフサイエンス株式会社 パブリックアフェアーズ本部 本部長 児玉順子、東京大学大学院 医学系研究科 循環器内科学 小室一成 教授、一般社団法人心臓弁膜症ネットワーク代表理事 福原 斉氏

続けて、小室教授、エドワーズ児玉、そして2度の心臓弁膜症手術を経験されている一般社団法人心臓弁膜症ネットワーク代表理事の福原 斉氏が加わり、パネルディスカッションを行いました。医師、企業、当事者の立場から、体験談も交えて心臓弁膜症の理解や検査を促進するためにどういったことが必要なのか議論しました。
このなかで福原氏は、「皆さん、生活や仕事を大事に考えています。病気になったら仕事ができなくなる、仕事が続けられなくなるかもしれない、ということを心配されています。そのため、病気があるかもしれないけれど、それを知りたくないので、受診されない方もいらっしゃいます」と、診断を受けたあとのことが心配という気持ちも検査を受けない理由のひとつであると話しました。
また、パネルディスカッション終了後には質疑応答が行われ、会場からは、「早期発見が大切なのはわかったが、それを各個人が自発的にアクションする必要があるのか? 国などの制度的な支援はないのか?」という質問に対して、小室教授は、「仕事をしている現役世代は会社などで毎年定期診断を受けていますが、高齢者になると、そうした機会が必ずしも十分ではありません。しかし、そうした方こそ、病気になる確率が高いので、検査を受けて欲しい」とコメント。また、心臓弁膜症の予防や、発症を遅らせる健康法があるかの問いに対しては、主な原因が加齢であることから、心臓弁膜症は高齢になれば誰もが罹る可能性のある病気であると回答しました。
また、児玉からは「日本の人口は米国の約3分の1だが、高齢者の数はほぼ同じ4。ですが、米国では大動脈弁狭窄症の治療は約11万件5行われている一方、日本は心臓にある4つの弁すべてを合わせても治療件数は3万件未満6で、いかに未診断・未治療の患者さんが多いかが想像できると思います」と症状に気づかず検査を受けていない患者さんや治療が必要にもかかわらず治療をしていない患者さんが日本にはまだまだいることを伝えました。

梅沢富美男さんがテレビCMに出演!「年のせいにせず、お医者さんに心臓の音を聴いていただくのが大事」

最後に、メディアセミナー当日の5月9日より放映を開始した心臓弁膜症啓発テレビCMをお披露目。

CMは「症状篇」と「心音篇」の2種類で、前者は、梅沢さんが息切れ、動悸、胸の痛みは年のせいではなく、心臓弁膜症の可能性があるのでは?と問いかけるもの。後者は、健康な心音と心臓弁膜症の心音を聞かせ、音の違いを訴求。いずれも、梅沢さん自身が聴診をしてもらうシーンで締めくくられており、かかりつけ医での聴診を促しています。

Media Seminar 8

元気に舞台活動などをするために、毎年の健診は欠かさないという梅沢さんは「最近、(コロナ禍でも)ようやく舞台ができるようになりましたが、歌って、踊って、お芝居をするには、健康であることが大切です。また、健康でないと、(観劇に)足を運んでいただけません。やはり、健康が大切なことを実感しています。」と語りました。
また、「今回のCMでは、急に息切れするな、疲れやすくなったな、というのを年のせいにせず、お医者さんに心臓の音を聴いていただくのが大事であることをお伝えしています。自分の健康を過信せず、早期発見を心掛けたいですね」と話しました。

Media Seminar 9

左から、エドワーズライフサイエンス株式会社 パブリックアフェアーズ本部 本部長 児玉順子、東京大学大学院 医学系研究科 循環器内科学 小室一成 教授、梅沢富美男さん、一般社団法人心臓弁膜症ネットワーク代表理事 福原 斉氏


心臓弁膜症についてさらに詳しく知る
心臓弁膜症の症状、検査、治療などについて詳しい情報は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。また、梅沢富美男さん出演中のテレビCM動画もご紹介しています。

心臓弁膜症サイト:https://www.benmakusho.jp/
テレビCMの情報:https://www.benmakusho.jp/cm/

Media Seminar 10

[参考]

1. 一般社団法人 日本循環器学会、一般社団法人 日本心不全学会「心不全の定義」について https://www.j-circ.or.jp/five_year/teigi_qa.pdf
2. Lancet. 2006;368:1005-11.の米国における心臓弁膜症有病率を、日本の18歳 以上の人口に適用し算出した推定数。
3. エドワーズプレスリリース 2019年03月22日「心臓弁膜症、詳しい症状理解は1割未満、加齢との関係認知も2割に留まる、8割は検査を受けたことがないと回答。心臓弁膜症に関する意識調査」 https://www.edwards.com/jp/newsroom/news/22-03-2019
4. 総務省統計局 統計データ 「国際比較でみる高齢者」 図20:主要国における高齢者人口の割合の比較より。人口に占める75歳以上の割合より算出https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
5. John D Carrol, et al. STS-ACC TVT Registry of Transcatheter Aortic Valve Replacement: Ann Thorac Surg. 2021 Feb;111(2):701-722.
6. Thoracic and cardiovascular surgeries in Japan during 2017 Table4より  https://www.jpats.org/lib/files/society/investigation/annual_report/2017.pdf

エドワーズライフサイエンスについて(https://www.edwards.com/jp/
エドワーズライフサイエンス株式会社は心臓弁膜症や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人です。
エドワーズは、構造的心疾患とクリティカルケアモニタリングに関する患者さん中心の医療イノベーションの世界的リーダーです。患者さんを助けたいという情熱を原動力に、世界のヘルスケアの現場で医療従事者や関係者とのパートナーシップを通じて、患者さんの生活の改善と向上に取り組んでいます。
※本文中の「エドワーズ」はエドワーズライフサイエンス株式会社を含む、グローバルに展開するグループ会社全体もしくはいずれかを指す場合があります。

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