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プレスリリース

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新機能、脳や身体の組織酸素飽和度モニタリングを追加した血行動態モニタ「ヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォーム」発売、ForeSight センサを貼るだけで、全身の循環に加えて局所の循環が評価可能に

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エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)はこのほど、手術中の患者さんの血行動態*1を監視するために使用されるモニタ「ヘモスフィア」に新機能を追加した「ヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォーム」を発売しました。これまでの全身的な血行動態の指標に加えて、ForeSight (フォーサイト)センサを接続することで、新しく脳または身体各部位の組織酸素飽和度*2を測定できます。これにより、患者さんにForeSight センサを貼るだけで、医療従事者が人工心肺*3中や全身麻酔の状態にある患者さんの血行動態を、より総合的に把握できるようになります。

*1:血行動態とは、心臓から送り出される血液量や血液を循環させる心臓、血管の状態を指します。次ページ参照。
*2:組織酸素飽和度とは、目的組織の動脈、静脈、毛細血管内のヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンの割合になります。
*3:人工心肺とは、患者さんの心臓を止めて行う手術の際に、心臓と肺の代わりに患者さんの全身に酸素を含んだ血液を供給するための機器です。

Hemodynic monitoring

【1台のモニタで目的や使用状況に合わせて、下記4つも含んだ合計5つのモニタリングデバイスが選択可能に】

Hemodynamic monitoring 2

◆ 脳や身体各部位の組織酸素飽和度を測定することの意義
心臓・循環系のモニタリングの目的は「組織の低酸素に早期に気づくこと1」です。日本心臓血管麻酔学会が2017年に発表した「心臓血管麻酔における近赤外線脳酸素モニターの使用指針」においても、「脳梗塞や術後高次脳機能障害(postoperative cognitive dysfunction: POCD)*4などの周術期脳障害の発生は、入院期間、死亡率、機能的予後などに影響を及ぼすとともに、家族への負担や総医療費の増加などにも多大な影響を及ぼす。特に高齢者の心臓血管手術は増加しており、周術期脳障害に対する予防対策は急務である2」と記されています。
脳や各部位の組織酸素飽和度は、酸素の運搬・消費のバランスを示しており、局所の低酸素の早期発見や、安定した組織循環を維持する際の目標値として活用され、医療従事者の治療介入が必要な状態を判断するための指標のひとつとなります。
*4:術後高次脳機能障害(POCD)とは意識、記憶、感覚認識、言語、動作などの高次脳機能が手術・麻酔後に障害された状態を指します。


◆ 血行動態モニタリングの意義
血行動態モニタリングとは、患者さんの心臓の動きや心臓が送り出す血液量や流れの状態を監視することです。血行動態モニタリングは、麻酔(手術)や救急・集中治療室での治療のタイミングで特に重要な役割を担います。
人体は、酸素が欠乏すると数分で影響が表れ、生命維持に影響します。そのため、血液を通じて各臓器へ十分な量の酸素供給を維持することが不可欠です。特に手術中は麻酔薬の影響や出血など、様々な要因で患者さんの血液量や血液の流れは刻一刻と変化します。
そのため、医師は様々なデバイスを使用して患者さんの血行動態を継続的に監視し、患者さんの臓器や組織に十分な血液と酸素が送られているかを評価しています。そして患者さんの状態変化や問題に速やかに気づき、迅速に治療方針を決定します。そうすることで、患者さんの各臓器の機能低下などを未然に防ぎ、また改善させるための治療介入を行うことが可能になります。
このように、手術中は治療部位だけではなく、患者さんの全身の状態をモニタリングすることで、患者さんの生命を維持し、手術の後もより速やかに回復できるよう、配慮されています。


◆ ForeSight センサで組織酸素飽和度を測定する仕組み
・ 患者さんの皮膚に貼付されたForeSight センサは近赤外光を発し、脳・組織酸素飽和度を正確にモニタリングするために必要な、適切な深度に到達させます。その近赤外光を用いて、ForeSight センサは血中の組織酸素飽和度を測定し、患者さんの組織における酸素の運搬や消費のバランスを数値化します。数値はヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォームにてわかりやすく表示されます。

・ モニタに搭載された独自のアルゴリズムで目的外の組織やメラニンなどの物質の影響を特定し、補正するほか、骨格筋など生体の解剖学的特徴を考慮した技術により、これまで測定の限界とされてきた組織特性による誤差を最小化し、より正確な値を導き出します。

・ ForeSight センサは柔軟性が高く、湾曲した身体の部位にもフィットします。また患者さんの肌へのストレスを軽減するため、滑らかな貼付面を採用しています。成人と小児の違いを考慮し、小児の組織酸素飽和度測定にも適した光の到達深度をもつセンサも取り揃えています。


◆ 新機能を追加した、ヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォームで可能なこと
・ 日本で連続的心拍出量*5モニタリングデバイスとして広く使用されている2つのデバイス、スワンガンツ・サーモダイリューション・カテーテルおよびフロートラック センサーを含む、5つのデバイスを接続可能です。また、モジュールの選択とタッチパネルによるシンプルな操作で接続デバイスを切り替えることができます。

・ 各指標について目標値の範囲内・注意・警告のいずれの段階にあるかを色別で表示。医療従事者がより直観的・視覚的に患者さんの状態を把握し、迅速な治療方針を決定するサポートとなります。今回新たに、各指標の関係性を把握しながら総合的に血行動態を把握できる画面レイアウトが追加されました。

・ バッテリー稼働が可能なため、患者搬入時や緊急時、院内移動時など、電源が確保できないような様々な場面においても、モニタリングが実施できます。
*5:連続的心拍出量とは、心臓が送り出す血液の量をほぼリアルタイムで測る指標。麻酔中に患者さんの循環血液量を管理する「循環管理」の指標のひとつ。

Hemodynamic monitoring 3

◆ ヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォームに接続可能なモニタリングデバイスについて

■ ForeSight センサ(新たに接続可能に)
脳または身体各部位の組織酸素飽和度を測定し連続モニタリングできます。センサを皮膚に貼付して使用する非侵襲のモニタリングデバイスです。
■フロートラック センサー
心臓手術以外でリスクの高い手術や低侵襲での心臓手術、および救急・集中治療領域において、連続的心拍出量を測定します。患者さんに既に留置されている、動脈留置カテーテルに接続して使用します。
■スワンガンツカテーテル
主に重症の心疾患を抱えた患者さんの心臓手術において、連続的心拍出量を測定します。カテーテルを血流に沿って心臓の中を通し、先端を肺動脈まで挿入して使用します。
■エドワーズオキシメトリーCVカテーテル
全身への血液循環、組織への酸素供給と酸素消費をリアルタイムにモニタリングするために使用します。患者さんの首の静脈から挿入して使用します。
■CVオキシメトリーカテーテル・ペディアサット
上記エドワーズオキシメトリーCVカテーテルの小児用です。

販売名(承認/認証番号)ヘモスフィア アドバンスドモニタリングプラットフォーム(30200BZX00403)、フロートラック センサー(21700BZY00348)、スワンガンツ・サーモダイリューション・カテーテル(CCO/CEDV)(22800BZX00144)、エドワーズオキシメトリーCVカテーテル(22800BZX00169)、CVオキシメトリーカテーテル・ペディアサット(22800BZX00195)。


【参考】

1: Reinhart K, Bloos F. The value of venous oximetry. Curr Opin Crit Care. 2005;11:259-63.

2: 一般財団法人日本心臓血管麻酔学会「心臓血管麻酔における近赤外線脳酸素モニターの使用指針」http://www.jscva.org/news/detail/id/114 アクセス日2021年3月1日


エドワーズライフサイエンスについてhttps://www.edwards.com/jp/
エドワーズライフサイエンスは、構造的心臓病とクリティカルケアモニタリングに関する患者さん中心の医療イノベーションの世界的リーダーです。患者さんを助けたいという情熱を原動力に、世界のヘルスケアの現場で医療従事者や関係者とのパートナーシップを通じて、生活の改善と向上に取り組んでいます。

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Amy Hytowitz
(VP, Global Communications)

日本法人 広報部
03-6895-0301 (大代表)