プレスリリース

経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用生体弁エドワーズ サピエン3 Ultra RESILIA、僧帽弁Valve-in-Valve治療における適応を本邦で初取得 ― 再手術リスクの高い僧帽弁生体弁不全患者に対する新たな治療選択肢 ―
循環器疾患と闘う患者さんのための治療技術の開発に取り組むエドワーズライフサイエンス合同会社(東京都新宿区、代表執行役員社長:大櫛 美由紀、以下エドワーズ)は、経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用生体弁エドワーズ サピエン3*について、外科的に留置された僧帽弁生体弁の機能不全に対する Valve-in-Valve 治療への追加承認を取得しました。
今後は保険収載を経て、定められた施設要件を満たす医療機関から段階的に導入される見込みです。本承認により、再開胸手術のリスクが高い、あるいは外科的再手術が困難と判断される僧帽弁生体弁不全の患者さんに対し、低侵襲な経カテーテル治療という新たな治療選択肢が提供されることになります。
* 販売名: エドワーズ サピエン3 / 承認番号:22800BZX00094000
低侵襲な再治療選択肢に対する高まるニーズ
僧帽弁は、左心房と左心室の間に位置し、全身への血液循環を支える重要な心臓弁です。僧帽弁疾患が進行し、薬物治療のみでは十分な効果が得られない場合には、僧帽弁置換術が検討され、人工弁として機械弁または生体弁が使用されます。
生体弁は、抗凝固療法の負担が比較的少ないという特長がある一方で、長期経過に伴う弁の劣化により、機能が低化し、再治療が必要となる可能性があります。
特に、高齢の患者さんや併存疾患を有する患者さんにおいては、再開胸手術に伴う身体的侵襲や合併症リスクが課題とされてきました。こうした背景から、再治療における患者負担の軽減と、安全性に配慮した治療選択肢が必要とされてきました。
Valve-in-Valve 治療という選択肢
Valve-in-Valve 治療は、既存の外科的生体弁の内側に経カテーテル弁を留置する治療法であり、再開胸を伴わないことから、身体的負担の軽減や早期回復が期待されます。
サピエン3 Ultra RESILIA 経カテーテル生体弁は、世界的に弁膜症治療における使用実績を積み重ねており、今回、日本においても僧帽弁生体弁不全に対する Valve-in-Valve 治療の適応追加について薬事承認を取得しました。
本適応により、患者さんの状態やリスクを踏まえた治療検討の幅が広がり、特に、再手術リスクが高い僧帽弁生体弁不全の患者さんにおいて、経カテーテル治療という選択肢が広がることによって、治療を検討できる機会が増えることが見込まれます。
●田端 実 先生 (順天堂大学心臓血管外科 主任教授) のコメント
僧帽弁における生体弁の劣化に対し、再手術の侵襲性は長年大きな課題でした。今回、僧帽弁 Valve-in-Valveという低侵襲な選択肢が加わることは、再手術が高リスクな患者さんにとって朗報と言えます。これにより、初回手術の段階から将来の再介入を見据えた長期的な治療戦略(Lifetime Management)を描きやすくなります。一方で、本治療は解剖学的な条件等により、すべての患者さんに適応できるわけではありません。だからこそ、初回手術における術式や人工弁の選択、そして再治療が必要となった際の治療選択において、ハートチームの役割が一層重要になると考えています。
●林田 健太郎 先生(関西医科大学 内科学第二講座 主任教授)のコメント
今回の僧帽弁 Valve-in-Valve 治療における適応拡大は、再手術リスクの高い患者さんに対し、低侵襲なカテーテル治療という選択肢を提供するものであり、これまで十分に応えきれていなかった臨床上のニーズを新たに満たす治療といえます。カテーテル治療は開胸を伴わず、早期回復が期待できることから、外科的再手術が困難な症例に対する重要な治療オプションとなります。患者さんの背景やリスクを丁寧に評価したうえで、外科治療とカテーテル治療をハートチームで適切に組み合わせることによって、多様な患者背景に応じた治療選択肢の幅をさらに広げることに大きな意義があると考えています。
心臓弁膜症について
心臓弁膜症は、主な原因として加齢に伴い心臓の弁が変性や石灰化する病気で、65歳以上の約10人に1人が罹患するとされています1。これにより血液の流れが滞ったり逆流したりして心臓に負担がかかり、やがて心不全につながります。日本の総人口においては、65~74歳で約140万人、75歳以上で約260万人の潜在患者がいると推測されます1,2。心臓にある4つの弁(三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁)の中では、大動脈弁と僧帽弁に異常が見られることが多くなっています。重症な場合、悪くなった弁を人工弁に置き換える治療が選択されます。治療せずに放置することで、心不全に至るおそれがあり、早期に病気を発見し、適切なタイミングで治療することが重要です。心臓弁膜症サイトでは、心臓弁膜症についての解説や、見逃されがちな症状、詳しい検査・治療方法などをご紹介しています。
▶心臓弁膜症サイト https://www.benmakusho.jp/
注釈
1)Nkomo VT, et al :Lancet. 2006;368:1005-11.
2)総務省統計局. 人口推計の結果の概要 令和2年4月報(令和元年11月確定値). Available from: https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202004.pdf(アクセス日:2024年2月)
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