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プレスリリース

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活動的な毎日をより長く、最大限に楽しみたい、幅広い世代の患者さんのニーズに応えた 「レジリエント」な生体弁を新発売 ―新しい石灰化抑制処理で耐久性向上を目指した「インスピリスRESILIA大動脈弁」―

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心臓弁膜症や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するメーカーの日本法人、エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング、以下エドワーズ)は、保険償還を経て2018年9月1日より、大動脈弁治療用の人工弁「インスピリスRESILIA大動脈弁」(以下インスピリス)を、全国の医療機関に向けて発売しました。

本製品は、心臓弁膜症*1のひとつである、大動脈弁狭窄症の治療に使用される人工弁(生体弁)です。機能しなくなった患者さんの大動脈弁の代わりとして開胸手術で縫い付けられ、患者さんの心臓の正常な機能を回復します。

大動脈弁は心臓に4つある弁のうち、肺で酸素化した血液を心臓から全身へと送り出す出口にあたる重要な役割を担う弁です。近年は高齢化にともない、大動脈弁狭窄症の治療件数は増加傾向にあります。加えて日本では生体弁を使用する目安は65歳以上とされますが、65歳未満でも、リスクとベネフィットを話し合ったうえであれば生体弁を使用することも推奨されており*2、生体弁使用率が年々高まっています(ページ下部グラフ参照)。

平均寿命の延伸により、治療後も患者さんがより長く、すこやかな日常生活を楽しめるよう、治療に使用される生体弁に対しては、耐久性向上や進化への大きな期待とニーズがあります。

インスピリスは、そのニーズに応えた「レジリエント*3」な生体弁です。

New "resilient" bioprosthetic valve (1)


「インスピリス」の特長

■ さらなる生体弁の耐久性向上を目指した、新しい石灰化抑制処理技術を採用
生体弁は経年によって、弁尖部分(弁の生体組織部分)にカルシウムが沈着して石灰化が起こり、再手術が必要になることがあります。石灰化につながる要因のひとつが、弁尖の組織上の不安定なアルデヒドで、それとカルシウムが結合することにより、石灰化が起こります。これまでの生体弁は、グルタルアルデヒドに浸して保管することで、弁尖がアルデヒドにさらされていました。インスピリスは、薬液保管を不要としたことでこれを防ぎ、弁尖にキャッピング処理とグリセリン処理を施すことでカルシウム沈着をブロックし、石灰化を抑制します(次ページ図参照)。

■ 現時点では生体弁で唯一の、薬液保管が不要
生体弁は、グルタルアルデヒドなどの薬液に浸した状態で保管されており、手術の直前に手術室内で複数回洗浄し、使用する必要があります。しかしインスピリスは生体弁としては初めて、薬液保存が不要となったため、パッケージを開くとただちに使用することができます。さらにグリセリン処理によって、水分がない状態でも弁尖組織をより柔軟に保つことが可能なため、患者さんの心臓内にインプラント後、すぐに弁としての機能を発揮します。また従来は必要だった、使用後のグルタルアルデヒド溶液の廃棄の手間もなくなります。

■ 現時点では生体弁で唯一の、フレーム拡大機能を実装 
インスピリスは、フレームが拡大する機能を持っています。

New "resilient" bioprosthetic valve (2)
New "resilient" bioprosthetic valve (3)



大動脈弁狭窄症とは

心臓弁膜症のひとつで、心臓の4つの弁のうち大動脈弁に動脈硬化と同様の変化が起きて固くなり、開きにくくなる病気です。特に高齢者に多く、日本における60歳以上の大動脈弁狭窄症の潜在患者数は約284万人、うち重症の患者数は約56万人*4といわれています。大動脈弁狭窄症は薬では根治しないため、手術等による治療が必要です。

大動脈弁狭窄症は進行性の疾患で、動悸やはげしい息切れ、極度の疲れやすさ、重症になるとズーンという胸痛や失神などの症状が出ます。一方で弁膜症の症状は、加齢による体力低下と似たところがあるため、「年をとったせいだ」と思い込み、受診と適切な治療を受ける機会を逃している患者さんが多くいると考えられています。

患者さんの生活の質を著しく低下させる大動脈弁狭窄症は、放置すると弁だけの病気から心臓全体の病気へと広がってしまい、結果として心不全などを引き起こすことにつながるので、適切な時期に適切な治療を受けることが重要とされています。


増加する大動脈弁手術件数と、生体弁の使用率

大動脈弁の手術件数は増加傾向にあり、10年で2倍に増加しています。

また大動脈弁狭窄症治療では、通常は金属でできた機械弁、またはブタの弁やウシの心膜などでできた生体弁を使用します。機械弁は原則として一生使用できますが、生涯にわたり血液を固まりにくくする薬を服用する必要があります。一方、生体弁は薬を服用する必要はないものの、15年~25年ほどで再手術が必要となることがあります。なお近年は、より活動的な生活を維持するために、生体弁を選択する患者さんが増えています。

New "resilient" bioprosthetic valve (4)

インスピリスについて、東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科・心臓血管外科学教授の荒井裕国先生は、次のように述べています。

「インスピリスは、これまでにない、まったく新しい生体弁です。新しい石灰化抑制処理により、生体弁の耐久性向上が期待できる点は高く評価しています。
平均寿命が延伸する中、弁置換を経て、より長生きをされる患者さんが増えています。再手術までの時間をできるだけ長く保てることは、患者さんにとって大変重要です。
また、薬液保存が不要になったことは、私たち医療従事者にとっての安全に貢献することに加えて、何より手術における手間がひとつ減り、患者さんの心臓を止めている時間を数分短くすることができます。患者さんの心臓を止める時間は1分でも短いほうが望ましく、患者さんの安全にとって非常に大きな意味を持ちます。」

またインスピリス発売にあたり、当社代表取締役会長のケイミン・ワングは次のように述べています。

「心臓弁膜症は、年を取れば誰もが罹りうる疾患です。エドワーズは、心臓弁膜症治療技術を世界的にリードする企業として、この分野にフォーカスし、あらゆる弁膜症治療に対応するための技術開発に努めています。開胸せずに生体弁を患者さんに留置する、経カテーテル大動脈弁治療TAVI(タビ)もその一つです。このたび、最先端の技術を駆使した外科用の生体弁を患者さんにお届けできることは、大きな喜びです。私たちは革新的な医療技術を通じて医療従事者を支え、患者さんが健やかな日常生活を取り戻す一助となることを使命とし、取り組みを続けてまいります。」

* 1  心臓弁膜症とは:心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態。弁の開きが悪くなり血流が妨げられる「狭窄」と、弁の閉じ方が不完全となり血液が逆の方向に流れる「逆流」があります。弁膜症は自然に治ることはないため、進行すると外科治療が行われます。 参考:心臓弁膜症サイト(http://www.benmakusho.jp/)

*2  弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2012年改訂版) - 日本循環器学会

*3  レジリエントとは: Resilient、しなやかな・強靭な・耐久性のある、の意味。

*4  De Sciscio P, et al. Quantifying the shift toward transcatheter aortic valve replacement in low-risk patients. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2017;10:e003287.

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03-6895-0301 (大代表)