Story 7 Bovine Pericardial Value 進化し続ける生体弁への飽くなき挑戦

1965年に世界初の生体弁置換術が行われて以降、しばらく使用されていた動物由来の生体弁には課題が残っていた。移植する生体弁として必要な構造と動物由来の生体弁の解剖学的構造が異なり、それによって石灰化が起こりやすいこと。さらに、動物の弁そのものを使用するため個体差があり、安定した品質が保てないことである。

最初の生体弁製品化の後、改良を重ねて行き着いたのは牛の心臓を包む膜、いわゆる心膜組織だった。1981年、「牛心のう膜生体弁」が発表された。これによって、耐久性の向上はもちろんのこと、品質や大きさを一定に保つことができるようになった。

しかし、牛心のう膜生体弁も石灰化を完全に抑制することはできなかった。早期石灰化は防げても、時間経過によりどうしても石灰化は起こる。
そこで界面活性剤による洗浄処理で、組織由来の石灰化を抑制する技術が誕生した。

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牛心のう膜生体弁

その後、弁尖処理工程に加温処理を加えることにより石灰化をさらに抑制することが可能になった。
また近年では、不安定なアルデヒド基へのカルシウム結合を阻害するキャッピング処理を施し、さらに弁尖組織全体にグリセリンを浸透させて水分子と置換することで、石灰化の一因でもあったグルタルアルデヒド溶液での保存が必要ない生体弁が誕生した。
こうしてエドワーズライフサイエンス独自の石灰化処理技術は、生体弁を使用する患者さんのQOL向上に大きく貢献してきた。

科学では決して“できない”と言うべきではない。常に可能性はあると信じた研究者たちのたゆまぬ努力のもと、生体弁は今日も進化し続ける。