Perioperative Myocardial Injury 非心臓手術周術期の心筋障害

麻酔・救急集中治療領域 学会・セミナー動画

更新日:2019年11月12日

画像:セミナー「Perioperative Myocardial Injury   非心臓手術周術期の心筋障害」のタイトル画像

演者:Kamal Maheshwari 先生(Cleveland Clinic Foundation)による講演「Perioperative Myocardial Injury(非心臓手術周術期の心筋傷害)」の動画です。【英語講演、日本語字幕付き】

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概要

周術期の心筋傷害は45歳以上の手術患者の約8%で発生している。ほとんどの場合無症状であり、心筋の酸素需要と供給のミスマッチによって引き起こされる。この心筋傷害は非心臓手術後心筋傷害(Myocardial Injury After Surgery, 以下MINS)と呼ばれ、症状の有無にかかわらず、心筋由来のトロポニン値が上昇する。MINSの30日死亡率は一般的な心筋梗塞による死亡の2倍、約10%であり、術後死亡の主な要因である。そのため、非心臓手術後2~3日間はトロポニン値を測定することが推奨されている。
周術期のストレスと炎症反応を軽減するための戦略は、MINSの予防に有用である。しかし、複数の試験では、MINSの予防に対して、β遮断薬、クロニジン、アスピリンおよび亜酸化窒素を使用することの安全性と有効性を示すことができなかった。一方、いくつもの大規模観察コホート研究は、MINS予防のための低血圧回避の意義を支持している。術中低血圧はMINS、急性腎障害および死亡率に関連する。最近の小規模な前向き試験でも、低血圧となった患者はより高い率で合併症を有したことが報告された。
低血圧は麻酔導入後、皮膚切開後など手術中によく観察される。さらに手術後、病棟における低血圧も一般的であり長時間続くこともある。MINSを回避するには、術中低血圧を回避する必要があり、手術当日のACE阻害薬やARBの内服中止もその手段のひとつである。また、低血圧の早期発見と適切な治療は低血圧の低減、MINSの予防にもつながるため、連続的な血圧モニタリングが重要である。さらに、心拍出量などの血行動態パラメータは輸液、血管収縮薬や強心薬などの適切な治療選択のために有用である。